とある日本語教師の海外遍歴記

2年ごとくらいにいろんな国で働く生活を志す人の旅行記

冬のモスクワ旅行記2019⑩~黄金の環セルギエフ・ポサード編~

この旅も残すところあと2日。
1月8日(火)は、モスクワから一番近い「黄金の環」セルギエフ・ポサードへ向かいます。
本日のテーマはこちら:

  • ツンデレ車掌
  • 鐘の音歌う音
  • モスクワのカプセルホテル

 

この日の朝は、リャザンの友人宅で向かいました。
モスクワへ戻るには列車で2時間。そこから乗り換えて、セルギエフ・ポサード(長いので以下ポサード)までまた列車で1時間。

この日1月8日が、一般的には正月休みの最後なこともあり、列車の空席が少なかったので、リャザンからとポサード往復のチケットは前日の夜にネットで購入しました。

 

朝(といっても10時くらい)、友人が朝ごはんを用意してくれて、駅まで一緒に送ってくれました。心遣いが沁みる。

寝台の長距離列車だったので、こんなモスクワ近くから乗る人はそうそういないようでした。
予約した車両の車掌さんは珍しく若いお兄さん。乗るときになんか持っていけって言われたんだけど、聞き取れなくて何も持たずに行ったら、あとから席にシーツをぽんと置かれました。あ、これのことだったのか。

本読んだりうとうとしたりして2時間。
あっという間にモスクワに着き、せかせかと降りる人々のあとからわたしはのろのろ行く。

ロシアの人は、日本の人と比べれば平均的にやっぱり背とか体格が大きいのですが、そのせいか電車のつり革は高いし降り口の段も高い
この列車も、段差大きいしホームと電車との隙間広いし、おまけにこの日のモスクワは結構雪。ホームは雪

降りた瞬間に滑りそうだな…

と降りる前一瞬止まって体制整えたら、あの車掌さんが手を取って降ろしてくれました。

イ ケ メ ン

いや全然顔は見てないですけど。ロシアの男の人、こういうのを無表情&無言でやるのが好きです。
以前も、バスの乗り口でスーツケースをさっと持ち上げてくれ、そのまま無言で去って行かれたことがあって萌えました。笑
しかも今回は、この寒い中車掌さんが手袋もしてなくて、ちょっと手が冷たかったのも萌えポイント。

フランスで道のバラ売りからバラ買って渡されたときは、バラ売りがいることからしてびっくりしたけど、どっちの扱われ方が好きかって聞かれたら断然ロシア派です。聞かれなくても語れます。

 

閑話休題

着いたのはモスクワのカザン駅。ポサードに向かう列車はヤロスラヴリ駅発。でもこの2つは道を挟んで向かいにあるので問題なし。

ポサード行きの列車も、乗ってみたら長距離を移動する人だらけ。
今度は女性の車掌さんが、チケットを見て「ポサードね、すぐよ」と。

そして1時間後、その車掌さんが「もうすぐよ」と声をかけてくれました。停留時間短いし降りる人あんまいないから気遣ってくれたんでしょう。

もちろん、ここまでぜんぶ真顔
ロシア人は笑わないなんて言われるけど、そしてそれは結構本当だけど、でもそれは冷たいということを意味しない、と、わたしは声を大にして言いたい。

 

すっかり長くなってしまった。

ポサードは、他の黄金の環と同様、大きくないけど、時間と生活と威信より素朴な信仰を感じる良い町でした。

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たぶん滞在中で一番よく雪が降ってる日でした。雪が似合う。

一人旅は、こういうなんでもない写真に時間をとれるところが楽しいですよね。

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彼らがいなければ川は凍っているでしょう。寒くないのかしら。

あと、つららは凶器なので気を付けたほうがいい。

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ちなみにこの旅で一番解せなかったのがこちら。

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何が起こったのか。

 

町の中心を成す至聖三者聖セルギイ大修道院(三位一体という書き方をされることも)にいる間に日が暮れていきます。

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ひとつの聖堂に入ると、ちょうど女性数人の声で聖歌が歌われているところでした。そして何十人もの人が列をなしていました。たぶん、神父さんの祝福を求めて、とかそういうの。

家族で並んでいて、小さい子どもが、ぴょこぴょこ十字を切っていて、みんながろうそくを立てていく。歌が続く。

なんだか、その音と光景に感動しました。

たぶん、
ここ半年で読んだ『戦争と平和』とか『猟人日記』とかに感化されています。でも、『カラマーゾフの兄弟』を読みながら正教徒になりたくなったのは本当。わたしはイワンほど賢くも意志が強くもないのだから。

 

そこから出ると、ちょうど5時。鐘が鳴ります。
自然と、敷地内のみんなが、止まる。

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その停止と音を共有している空間、素敵でした。
いや、わたしはよそ者だったかも。でもなんか、宗教っていいかもって思いました。

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そしてすっかり暗くなってから、列車でモスクワへ帰りました。

 

そういえばモスクワでの滞在先をご紹介していなかったので今さらですが載せておきます。
ウラジーミルから移動した夜からずっとここに泊まってました↓
ドロップ イン(モスクワ)– 2019年 最新料金

ホステルだけど、シングルのベッドはカプセルになっていて、ひとりで気ままにできました。
シャワールームもきれいだったし待つこともなかったし、カザン駅・ヤロスラヴリ駅を多用する場合はおすすめです。

 

そして、もうこの旅も終わります。
次は最終回代わりに、モスクワ地下鉄一周の写真でも載せようかな!