とある日本語教師の海外遍歴記

2年ごとくらいにいろんな国で働く生活を志す人の旅行記

SHERLOCK(シャーロック)、或いはソシオパスの話

イギリスのドラマ「SHERLOCK(シャーロック)」を見始めた。

おもしろい!
言わずと知れたシャーロック・ホームズの現代版アレンジといったところ。推理モノって、自分の推理力のなさを思い知るばかりであんまり興味がわかなかったのだけど、このドラマでは天才の思考回路をリアルタイムで追える演出がされていておもしろい。シャーロックとジョン(ワトソン)のブロマンスもかわいい。

実は5年ほど前(2013年)、原作を読んだこともないのに、シャーロキアンの友人と一緒にロンドンを旅行してホームズミュージアムへ行ったことがあった。

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行く前に一作目の『緋色の研究』くらい読んでおこうと思って文庫を買ったのに、そして長編でもないのに、全然読み進められず結局読み終えなかった。

それが、いま、こんなところで効いてくるとは!
ドラマの中のシャーロックの部屋を見たとき、「おーーーわたしここ行ったことある!!!」ってめちゃテンション上がった。

ドアも、2階に上がる階段も、

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赤みがかった部屋の雰囲気と暖炉の前の2つのいすも、

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化学実験する指先ってセクシーですよね。

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もはやただのファンである。

便利なことに手持ちの電子辞書に文学作品が入っていて、ホームズシリーズも入っているので(英語だけど)、ドラマを見終えたらぼちぼち読んでみようと思う。あのとき興味なさそうだったわたしを引っ張っていってくれてありがとう友人。興味なさそうにしててごめん友人。

 

***

ドラマの中のシャーロックは、「サイコパス psychopath」と呼ばれると、自ら「違う、高機能ソシオパスだ(high-functioning sociopath)」と言い返す。

ソシオパス?

聞いたことがなかったので気になり調べてみたら、なかなか興味深い。
というのは、前回の記事で書いたコミュ障パターン(つまりわたし)をもう少し説明できそうだと感じたから。

www.eucoblog.com

サイコパスとソシオパスの違いはいろんなサイトが説明しているのでそちらをご参照されたい。わたし自身はざっと「どちらも共感力の欠如など類似が多いが、サイコパスは多くが先天性で他者への傷害を含む一方、ソシオパスは後天的で傷害衝動は含まない傾向」と理解した。

 

他人への共感が、いまいちできない。
ただ、他人の状況や感情の推察ができないわけではない。そしてそれらを、自分のどんな返答がどう展開させうるかの予測もできる。
というわけで、「返答方法の選択肢を考えた上で、一連の談話をよりよく帰着させられそうなものを選んで行動に移す」というまどろっこしい作業をする。共感できないから、共感できる人間がするであろう行為を推察するプロセスが必要なのである。シャーロックの推理みたいだ。

ただ、他愛もない雑談であればあるほど談話の帰着点が絞れなくなって、選択肢の絞り込みができなくなってしまう。結果、疲れる。避ける。

 

とするとこれはなんだ、社会性のあるソシオパスって自家撞着もはなはだしい、と思ったけど実際の論理は逆で、共感力の乏しさをカバーするだけの社会性もなくて病理状態にまでいってしまうのがソシオパスなんだろう。

 

しかし、社会性のあるサイコパスというのはいるらしい。この記事がおもしろい。

toyokeizai.net

サイコパス研究者が大量の脳スキャンデータから「サイコパス脳」を選んだら自分のだった、という話。できすぎていてドラマにもできない。この本も読んでみたい。

 

サイコパス・インサイド ある神経科学者の脳の謎への旅 [ ジェームス・ファロン ]

 

ちなみにこのサイトでソシオパス診断をしたら、可能性大と出た(相談や治療を促すサイトの特性上、高めに出るものと思われるが)。

cocoro-navi.com

  

あと、ドラマのモリーはソシオパスばかり好きになってしまうなんて言っていたけど、分からないでもないよ、その気持ち。