サンクトペテルブルク旅行記2019③〜プーシキン現地ツアー編〜
5月4日、サンクトペテルブルク2日目。この日は友人のロシア最終日。それなのに、ちょっとあんまり要領良く回れなくて、心残りのある旅の最後になってしまった。。。
教会を見たいというリクエストのもと、まずは朝早くから空いているカザン聖堂へ。ここは、わたしも始めて入った。
ちょうど朝のお祈りをしているところ。ロシア正教の牧師さんたちの動きは、重々しい(そして重そうな)長衣からすると意外なほど歯切れがよく気持ち良い。そして聖堂に響くコーラスがきれい。どこから聞こえるの?と探すと、後ろの2階に聖歌隊がいた(めちゃくちゃ普段着なのが面白かった)。
翌日は最終日。一人になってロシア美術へ行きます。
サンクトペテルブルク旅行記2019②~地下鉄とバスで行くペテルゴフ編~
5月3日、エルミタージュ美術館のあとは、ペテルゴフへ行くことになっていた。
ペテルゴフとは、サンクトペテルブルク市街から少し離れたところにある離宮とその周りの庭園のこと。広い敷地の中にいろんな小さな建物やら博物館やらがあるのだけど、それぞれにチケットが必要らしい。とりあえず混雑しそうなメインの宮殿だけ事前にネットでチケットを買っておこうということになった。
が、しかし、10日ほど前の時点ですでに売り切れ…!
かろうじて、本来は閉館後である18:00〜20:00の「夜の部」というチケットがあったので、こちらを買った。
結果的に、これがベストの選択だった。
ペテルゴフはペテルブルク市街からネヴァ川を渡った位置にあるので、船で行くのが一番早い。そして船着場はエルミタージュ美術館のすぐ裏だ。完璧に効率的な足取り。
…のはずだったのだが。
船着場へ行ってみると、なんと、この日は朝からの風と雪でペテルゴフまでの船が欠航とのこと!
…盲点だった。船以外の行き方をあまり調べていなかった…
しかも、便利なアプリ2GISを入れて万能なはずのわたしのケータイは、寒さとバッテリーの老化とで朝からすでに瀕死の状態。
googleで経路の検索をすると2時間とか出てくる。まさか。時刻は既に17:00近い。これ最悪着いた頃にちょうど閉館なんじゃ…
…と思ったけど、2時間というのは「ペテルゴフ」と「新ペテルゴフ(ノーヴィー・ペテルゴフ)」なる別の街を間違えて検索していたからで、ペテルゴフまでは約1時間で行けることがわかった。焦った。
しかも、道のりは簡単だった。
まずは地下鉄で「アフトーヴォ」という駅まで行く。
そこで降りて地上に出ると、すぐバス停がある。ペテルゴフ行きの番号はガイドブックに書いてあったけど方向が分からずその場で様子を見ていると、バスの運転手が「ペテルゴフへ行きたいんだろ?逆だよ!」と教えてくれた。
地下道で反対側に出ると、バスのほかにマルシュルートカというバンのバスみたいなのがたくさん止まっていて、「ペテルゴフ行くよ!」と声をかけてくれた。
バスとそれを合わせれば本数はたくさんある模様。運賃もたぶん同じ。(行きはマルシュルートカで70ルーブル、帰りはバスで80ルーブルだった。バスは近場は40ルーブル、ペテルゴフまでは二区間分の80ルーブル。)
降りるバス停が分からなかったけど、着いたら運転手さんも乗客のみなさんも「噴水(フォンタン)だよ!」と言って教えてくれた。地元の人はペテルゴフじゃなくて噴水というらしい。
そんなわけで、かなりスムーズに1時間足らずでペテルゴフに着けた。このとき18時過ぎくらい。バス停は庭園の目の前。
たぶんこの先の建物が私たちの目指す宮殿だろうということで、進んでいく。ここはまだ無料で入れる庭園で、噴水はもう止まっていた。
宮殿っぽいほうへ来た。でも入り方がわからない。向かって右側の駐車場みたいなところに一旦出たら、そこにチケット売り場と入場ゲートがあった。ここからが、チケットのいる「下の庭園」という部分らしい。
宮殿のチケットは持っていたけどこの庭園のチケットを持っていなかったので、売り場で買って入場。そうすると、宮殿の正面に出た。ゴージャスな噴水もある。
時間もなかったのでまず宮殿へ入った。上着と荷物を預けて靴カバーを履いて入る。中ももちろんゴージャス!
ただ正直去年行ったエカテリーナ宮殿とよーく似てるなーと思った。それもそうで、同じ建築家が建てたらしい。
夜だからかわりと空いていて、突如部屋の中に私たちだけになった。このゴージャスな部屋独占!とはしゃいで合わせ鏡で写真を撮っていると、「写真やめなさい。グループから離れちゃダメよ。」と、監視のおばちゃんにやさしくたしなめられた。
どうやら、本来ガイドについてグループで見学しなければならず、勝手に回っちゃいけないらしい。(これはエカテリーナ宮殿も同じ。)おそらく入場のところで、私たちは前の中国人団体客の一員だと思われ一緒に通されたらしい。
わたしたち中国人団体客じゃないんですーと言うと、おばちゃんに「じゃあこっちのグループと一緒に行きなさい」と個人客グループに加わることを指示されたので、途中からおとなしく団体行動。
このベッド、かわいかった。
内部の見学はたぶん1時間弱で終わり、外に出て庭を散策。
庭は、エカテリーナ宮殿より見応えあると思う。この噴水と水路が美しい!
(ただなんか、この噴水の出方、空に向かって激しくあれしてる感じが…自粛。)
確かこのころ19:30くらい。庭園は遅くまで空いているようだったけど、売店はちょうど店じまいをしていた。寒かったから飲み物買いたかったのに断念。
もとの道に戻って、バスに乗って駅まで戻り、シャベルマ食べて、地下鉄で帰った。
めちゃ寒かったし焦りもしたけど、盛りだくさんで結果いい日だった。
翌日は、そうもうまくいかなかった日。続きます。
サンクトペテルブルク旅行記2019①~寒すぎる5月のエルミタージュ~
ウラジーミルを22時に出発した寝台列車は、朝9時にサンクトペテルブルクへ着く。
2等車のコンパートメントはさすがに静かで、たっぷり8時まで寝ていられた。これが仕切りのない3等車だったら、せっかちなだれかが身支度しだしてみんな7時すぎには座ってお茶を飲んでいただろう。
この日は、もともと天気予報で雪マークが出ていた。4月のモスクワでも雪だったのでもはやあまり驚いていなかったけど、列車がサンクトペテルブルクに近づくにつれて確かに雪がちらついてきた。5月である。ダウン着て来てよかった。
列車で出される機内食みたいな朝ごはんを食べて、シーツをたたんで、荷物を詰めて9時。雪のサンクトペテルブルクに到着。
ひとりだったらそのまま観光へ繰り出すところだけども、同行した友人がシャワー浴びたい派だったので、その日泊まるホステルへ問い合わせたら、チェックインもできるしシャワーも浴びて良いとのことだった。というわけで、ありがたく朝からシャワーを借りる。
お湯の出が悪かったのが難点だけど、親切でいい宿だった。客層若くてフレンドリーな宿を探している人にはおすすめ。
ペテルブルクは2日間しかないので、この日はまずエルミタージュ美術館へ行くことにしていた。シャワーを浴びたりしていたら、美術館についたのはもう11時ごろだった。
オンラインチケットを買っておいた方がスムーズだとガイドブックにあったので、当日券より値段が高いものの、購入しておいた。オンラインチケット専用入り口から入れるらしい。当日券は、チケットの列に並び、そのあとまた入場の列に並ばないといけないので、それよりは早いはず。
…しかし、オンラインの列も、それはそれで長かった!もちろん当日券よりは早かったのだろうけども、11時半から並び始めて、ほぼ2時間並んでいた。雪が降り風が吹く中の2時間は、寒かった。オンラインチケットのあるなしに関わらず、朝一オープン前から並び始めることをおすすめする。
(完全に余談だけども、列で一緒になって話していたアジア系アメリカ人と連絡先交換しておけばよかったなあとちょっと後悔。)
前回来たときは、すべてが豪華すぎて、とりあえず床を見ることに専念した。
なので今回は、天井を見ることにした。
天井の絵やデザインと、シャンデリアである。ここは薄緑とカメオの描き方が上品。
青とゴールドの組み合わせはとても好き。
水色は間違いなくかわいいし、白だけと言うのも良いですよね。
金と白は王道!
この天井も好き。
シャンデリアで一押しは、蜘蛛の巣みたいに華奢で繊細なこれ。
シャンデリアを真下から見るのもおもしろい。
幾何学的な美しさ。
もちろん天井の絵画も。
右のは彫刻のようにもみえるけれど、そういう手法の絵である。
絵画でおもしろいと思ったのは、こちら。
写真がうまく撮れなくて残念だけど、空の絵。この豪華な建物の天井に空の絵、そこからシャンデリアって、なんかパラドキシカル。
こういうパターンもきれい。
これは、一つ一つがかわいらしくて色もきれい。矢印の出てる羽の生えたものがなんなんのかが分からないのだけども。
独特で惹かれたのはこちら。
きらきらのエルミタージュの中でこの磨かれた木の色。落ち着く。書斎か図書室か、本がたくさん置かれていた部屋。
そしていちばん気に入ったのは、こちら。
なにもない廊下の白い天井なのだけど、白いからこそ、シャンデリアの明かりの映り方がよくわかった。というか、ここで初めて気が付いた。シャンデリアの形によって、こんなふうに天井に光が反射するのね、と。シャンデリアっていいかも、と思った。
おまけ。
エルミタージュのおみやげ屋には「エルミタージュに住んでいます」と書かれた猫のグッズがよくある。どの絵の猫だろうと不思議に思っていたのだけど、たぶん、今回見つけた。この子じゃないかな。
エレガントな三毛猫。ある廊下の壁にいた。探してみてください。
1時半ごろに入って4時ごろまで、2時間半くらい見ていたと思う。結局今回もあまり絵を見ていない。3回目もう一度いったら、今度こそ絵を見られるんじゃないか。
さて、次はペテルゴフへ向かいます。
ロシア黄金の環旅行記2019⑦~おまけ:素敵な窓枠コレクション~
黄金の環、特にスーズダリを歩いていて楽しいことのひとつが、人様の家の窓枠を見ることである。
近代的なモスクワとか大きな建物の多いペテルブルクとかと違って、ここには木造の家が多い。決して大きくはないし新しくもないのだけど、ただ、とてもかわいい。ヨーロッパのおうちによくあるような、カラフルな壁の色合いももちろんのこと、なによりかわいいのは窓枠の意匠である。
ふつうに地元の人が住んでるうちなので勝手に写真撮るのもなあと思いつつも、特にかわいかった窓枠をこっそり撮って来ちゃったのでご紹介。家の中は見えないはず。
シンプルだけど、丸太風の壁とレースのような窓枠がセンスいい。
赤っぽい壁に白い窓枠のデザインが映える。こういうローマの柱廊みたいな窓枠が多い。
赤い壁に青い枠、なんて組み合わせもできる。全然違う目立つ色を持ってくるのもいい。
これは1月に行ったとき撮ったものだけど、最高級にお気に入り。木目を活かしながら指し色の入れ方が上品。屋根の雪も似合っている。
もうひとつ冬の写真。つららの危険さを示したくて撮った写真だけど、濃い緑と茶色の組み合わせも渋くて良い。あと窓の多さがかっこいい。
緑の壁に白の飾りと言う組み合わせはかなりわたしの好み。この2つは甲乙付けがたい。でも左はちょっとわたしには荘厳すぎるから、右かなあ(わたしの家でもなんでもない)。
この水色も好み。出窓に置かれた花も素敵。かわいい女の子かかわいいおばあちゃんの部屋であってほしい。
打って変わって全部同じ色で彫刻に凝るというところに洗練さを感じるお宅。チョコレートみたい。
カラフルにエキゾチックなこんなデザインもあった。一瞬、沖縄か台湾かと思う色合い。
…窓枠に萌える心を共有していただけただろうか。好みのものありますか。
教会ばっかり見て飽きたなーと思ったときにはこんな見所もあるので、ぜひ黄金の環一周にご挑戦あれ。
ロシア黄金の環旅行記2019⑥~ウラジーミル編~
黄金の環5つ目の都市、最終地点はスーズダリからバスで1時間弱のウラジーミル。
ここのバスターミナルは列車の駅のすぐ向かいにあるので、列車の駅に荷物を預けて散策に出かけた。(預けるところとお手洗いは地下にある。)
ここの一番の見どころはウスペンスキー大聖堂だけれども、夏でも閉館が早いので、すでに閉まってしまっていた。ただわたしは、1月に来た時の雪景色写真にお気に入りが多かったので、それとパラレルな写真を撮るのがまた楽しかった。
頭、兜かぶってそうだったけどなんにもなかったことが分かった。
ちなみに1月の旅行記はこちら。
駅から高台にあがったところの散歩道は結構お気に入り。
でも実は、この日は非常に寒い曇り空。写真を比べると、冬のほうが青空だったみたいだ。
そして、どんどん霧が濃くなってくる。
ウスペンスキー聖堂の上のほうがもはや霞んでいる。霧の景色は、これはこれで好きなのだけど。
寒くなってきたので、大通りを駅に帰るほうに向かい、階段を降りたら駅というところにあるレストランに入った。なんのお店かわからず入ったけど、中央アジア&カフカス料理だった。お姉さんが親切で英語メニューもあって満足。
ハルチョー(スープ)とナン。プロフ頼んだら売り切れていて、代わりにお姉さんのおすすめ聞いたら出てきた肉。料理名を忘れてしまった。
のんびり食べて、寝台列車に備えるべく駅に戻って、交代で顔を洗ったり準備したりして、22時少し前のサンクトペテルブルク行き寝台列車へ無事乗り込んだ。
一番安い3等車は早々に売り切れてしまっていたので、4人部屋になっている2等車のチケットを買っていた。同室になるのがどんな人かドキドキ。前の駅から乗っていたらしい女性はもう寝ていて、同じ駅からおじさんが一人乗った。
寝台は基本2段ベッドのようになっている。今回、女2人旅で同じ部屋の下の段を2つ取ったのだけど、あとになって、下2つじゃなくて上下で取ればよかったと後悔。上の段は寝るしかできない場所なので、寝るまではなんとなく下の段の人とテーブルやいす(下の段のベッドになるところ)をシェアすることになるのだけど、上下で取れば見ず知らずの人の寝る時間を気にする必要がない。
…案の定、上の段のこのおじさんは、私の席である下の段に腰かけた。雰囲気、会話を始めたそうな様子である。正直、ロシア語で会話するコミュ力も体力も残っていなかった私はさっさと寝たかった。
旅の出会いを楽しみにしていたかもしれないおじさんには申し訳ないけど、おじさんがお手洗いかどこかへ出た隙にいすの背もたれを倒してベッド仕様にして、シーツを敷き、もう寝ますよ感を全開にしてみた。戻ってきたおじさんは、ちょっと残念そうに上の段へ上がっていった。
モスクワを出てから移動距離約560km。2日間で歩いた距離約40km、歩数は58,000歩。横になったらいつの間にか寝ていた。列車の音が気になるなあと思った記憶はあるけど、気にすることなく寝落ちていた。
こうして、2日間の黄金の環強行突破旅行は無事幕を閉じ、5月なのに極寒のサンクトペテルブルクという次のステージへ向かうのだった。旅行記、続きます。
ロシア黄金の環旅行記2019⑤〜スーズダリ編〜
5月2日。ものすごく寒くて雨模様な日。
ヤロスラヴリからスーズダリへ移動するには、
(1)9:30の直行バス(1日1本)
(2)イワノヴォ(発音はイワーナヴァに近い)という町まで電車(でも本数少ない)で行って、そこからバス
(3)イワノヴォまでバスで行って、そこからまたバス
の3パターンある。しかし、朝のんびりすることにしたのでもう(1)は過ぎてしまったし、しかも前日の時点で売り切れ。(2)もいい時間の便がなくなってしまった。よってバスで行くことに。
バスターミナルに10時くらいに着いた。売り切れを恐れていたけど、11時のイワノヴォまでのバスが買えた。一安心。(イワノヴォからさきはまたイワノヴォで買わなければならない。)
なお、出発前にこの便のチケットは売り切れていた。ロシアでも連休の初日だったのでとくに混雑している日だったと思うけど、バスというよりバンだったので席数は少なかった。無事買えて何より。
イワノヴォのバスターミナルに着いたのがおそらく13時少し前。時刻表を見ると13:05と14:05がある。13時もうダメかなー1時間あるならちょっと町見ようかなー(ここも黄金の環のひとつに数えられているので)と思いながら窓口に並び、スーズダリへと告げると、なんと超高速で13:05のを売ってくれた。このときちょうど13:00。
このおばちゃんのおかげで、14:30くらいにスーズダリへ着くことができた。結果的に、9:30の直行バスと変わらない時間に着けた。素晴らしい。
バスターミナルでは荷物を預けられた。売店のおばちゃんに聞いたらチケット売り場で料金を払うように言われ、払ったら預かってくれた。たぶん、これが正しい流れなんだと思う。
スーズダリには冬にも来ていたけど、もろもろの事情によってまた来たいと思っていた。
あのとき雪原みたいだったバスターミナルまわりは少し緑になっていた。
以降、1月の夜と5月の昼間のコントラストをお楽しみください。ただ5月のこの日も寒くて曇っていて、五月晴れじゃなかったのが残念だけど。
バスターミナル15分くらい真っ直ぐ歩くと広場に出る。そこからはお土産屋がならび馬車も走る。観光客には環の中一番人気な街だそう。
家族連れも多かった。
さらに進んでクレムリン。
この古い木造教会の写真はどちらもお気に入り。
前回は入らなかったクレムリンの博物館に入った。思ったより盛りだくさんでおもしろい博物館だった。
このテーブル、めちゃアーサー座ってそう!と密かに興奮(ドラマ『魔術師マーリン』の話)。
もう一カ所、1月には行けなかった修道院にも行けた。最初の広場から、また20分くらい。街を見ながら歩くとそんなに遠くない。
右側の鐘楼の時計の文字盤が、数字じゃないぞ?と気になったのだけど、
いま改めてみたらキリル文字のabc...だった。以前はこう書かれていたんだろうか。いろんな博物館で昔の時計を見てきたはずなのに、全然覚えがない。
ふと案内板を見ると「監獄はこちら」とある。修道院に監獄??と思って見に行った。詳しい説明が分からなかったけど、スターリン時代の監獄だった模様。宗教禁止のソ連時代には教会も倉庫に使われたらしいので、粛清の関係で使われていたのかもしれないし、聖職者を収監していたのかもしれない。
この修道院の前で、飲みたかったメドブーハを飲んだ。もとははちみつのお酒で、ノンアルコールも売っている。
一緒に買ったプリャニクというソフトクッキーみたいなお菓子も、はちみつが練りこまれている。上にシュガーグレーズがかかっていることが多いけど、これはかかっていなくて甘すぎなくて、おいしかった。「愛する人に贈る」と書いてある。自分で食べた。
修道院の前にタクシーが泊まっていたので、バスターミナルまで乗った。250ルーブルくらいだったと思う。
ウラジーミルへのバスは毎時1~2本出ているけど、次のバスはもう席が売り切れていた。でも1時間足らずの道中なので、立って乗っていくことにした。立ち乗りできないバスもあるだろうけども、これはたぶんローカルバス扱いなので大丈夫だった。切符を買うときも、電車や長距離バスと違ってパスポートを見せなくてよい。ちなみに「立って乗ります」と言うときのロシア語は「ストーヤ」だった。発音「スタヤ」だと思っていたから窓口のおばちゃんが言うのを聞いて知った。やはり、言葉は使えば上達するのである。わかっては、いるのだけども。
さて、次はウラジーミル。この2日間最後の街であります。
ロシア黄金の環旅行記2019④〜ヤロスラブリ編〜
黄金の環3都市目は、ヤロスラヴリ。
ここ、とても良かった!
「黄金の環の首都」とも呼ばれているそうで、まず街が大きい。レストランや露店も多い。ここに宿泊することにしてよかった。
ロストフから1時間足らずでヤロスラヴリ駅に着き、バスで宿へ向かう。バスとトランバイがたくさん走っていた(走りすぎててどれに乗ればいいのか迷うほど)。こういうところで2GISのアプリが非常に便利。
宿の最寄りの停留所からまた少し歩いたのだけど、そこにお土産の露天がたくさん!楽しい!!
そこら中に教会らしき玉ねぎ頭の建物もある。なんか想像していたよりかなり見応えのある街だぞ、と気づく我々。
ちなみに泊まったホステルは、安いけどかなりいいところだった。フロントのおばちゃんが親切。英語が通じるかどうかは分からないけどゆっくりわかりやすいロシア語を話してくれた。
難点は、私たちの泊まった地下の4人部屋は、水漏れがあるらしくシャワー室の床が水浸しになることと、部屋の中で電波が悪いこと。でもいい宿だった。
駅に着いた時が19時近く、露天と宿に寄っていたら聖堂が閉まる20時になってしまった。閉館時間を考えていなかったのは失敗(日の入りが遅くて明るいから到着が遅くてもいいや、くらいに思っていた)。なにより、ヤロスラヴリを見くびっていたのが反省。
次の日早めに出るつもりだったけど予定を変更し、朝一で街を見てから行くことにした。ひとまず少し散歩して、夕暮れのヴォルガ川を見て、ごはんを食べて終了。川、好き。
ちなみにこの日モスクワを出てから移動距離約330km、歩数29,274歩だった。どうせなら3万行きたかった。
翌朝は、ものすごく寒い日だった。前日の快晴が嘘のように寒い。冬のダウンで来てよかったと噛締めつつ、7時半くらいから散歩に出る。朝の散歩なんて久しぶり。
ヴォルガ川沿いの公園。
熊を倒して町を築いた、というような伝説があるそうで、熊が町のシンボル。
8時。この川沿いの教会から音楽が聞こえてきた。
中に入るとおそらく何らか朝のお勤めの最中。こういうのを見られる機会が少ないので、立ち会えると嬉しい。
そこから公園をずんずん歩くと、別の聖堂「預言者イリヤ聖堂」がある。こちらは中がとてもきれい。
古い壁画も残されていた。古さが分かるのにきれい、というのはただきれいなのよりすごい。
どうやら、本当はスパスキー修道院というところを一番見るべきだったのだけど、リサーチと時間の不足で行けず。丸一日あってもよかったなぁ。行先を確認しておけば半日でもいいと思う。どちらにしろ、長い電車内でなにもしてなかったことが悔やまれる。
さて、9時過ぎ。宿に戻って荷物をとってチェックアウト。トランバイでバスターミナルへ向かった。この町のバスターミナルは、列車の駅とは離れているので注意。
次の町スーズダリへの道のりは、移動距離も本数の少なさも最難関レベル。無事バスチケットが確保できますように。