ウクライナ旅行記2018⑤~チェルノブイリ見学・後編~
前回の続き。
チェルノブイリ見学ツアー、プリピャチ市を見学したら、いよいよ事故の起きたチェルノブイリ原発4号機を見に行きます。
とはいえ近づける限度はあるし、写真撮影はこのモニュメントの位置から、と決められています。
奥のかまぼこ型に4号機が覆われているのですが、でかい!!
大きすぎて距離感がつかめないほど。近く見えたとしたら、それはでかいだけです。
4号機の真上で建設作業はできないので、横で全て組み立ててから動かしたのだそう。地上で人が動かした構造物のうち、最も巨大なものらしいです。バスで見た、この巨大アーチ建設のプロジェクトXは、技術者魂あふれていておもしろかった。
3号機の煙突と比べるとでかさが分かるかも。右は、建設途中のままのユニット。
それにしても、この事故機真横の3号機が2000年までずっと稼働していたというのはちょっと信じられない。でも事実してたんですよね。
その後、また少し建物に寄り、
さらに集落からも離れた草木の中を行くと、
突如現れる、でかい建造物…!
ロシアン・ウッドペッカー!
美しい。
冷戦時代、アメリカのミサイル発射を大陸越えて感知するために作られた基地局だそう。でもそれは国家秘密で、建設に携わっていた人すら何を作っているか知らなくて、でかい無線と思ってたそうです。
ちなみに、当然ながらいまは動いてないので、この黄色い三角はガイドさんいわく「いい感じの写真を撮る用」。
以上がツアーの内容でした。検問で放射線量チェックを受けて、キエフまで戻って、解散しました。あ、結局グッズ売り場で、電力会社時代の上司へのおみやげにチェルノペン買っちゃった。
このツアーの最大の感想は、「こんなところも観光地にしちゃう人間ってすごいな」でした。
あと考えるポイントは、人間がいないぶん自然や動物の楽園になっているということ。目に見えてこない生態系まで含めて、彼らは彼らの速度があって、適応力があるということ。
原子力は、事故が起きたときの影響が他の場合と比較して甚大で、とてつもなく長期にわたる、というのは事実。原子ゴミの問題もあります。
でも、それを甚大だとかとてつもないとか感じるのは、ヒトの感覚でしかないでしょう。ヒトの良心が及ぶ範囲でしかない。だって別に、他の発電方法だって、他の何らかの生き物からしたら、十分に甚大でとてつもなく長期の影響を起こしているのだろうから。
議論するなら、それを自覚して議論しなきゃいけないと思います。所詮、あなたはあなたの良心に、わたしはわたしの良心に基づいて話しているのよ、という自覚。
いやヒトの良心はすばらしいのです。それはこの上ないバランサー。でもただその自覚不足が、いろいろな立場の人がお互いの良心に対して「あいつら何も分かってない!!」って息巻く原因になっている気がするなあ、と、ここの犬たちと生い茂る木々を見て考えたのでした。
最後に追記すると、この日は雨でめーーっちゃ寒かったです。前日は半袖で暑いくらいだったのに。6月のウクライナは天候によって気温が大きく変わるようです、お気を付けて。
翌日は、もう一日キエフ市内で過ごします。次回に続く。