とある日本語教師の海外遍歴記

2年ごとくらいにいろんな国で働く生活を志す人の旅行記

冬のサンクトペテルブルク旅行記2018②~聖イサーク聖堂とたい焼き編~

2018年1月2日、サンクトペテルブルク滞在3日目にして、初のまともな観光。
朝から、聖イサーク聖堂へ行った。

 

ネット情報で10時開門となっていたのでそれくらいに行ったら、短い列ができていた。しかし、チケットは10時から買えたのだけど、入場は10時半からだった。
待つ間が、寒い。温かい飲み物を買いたいのに、移動販売車はまだ準備中。いまこの瞬間に営業していたらきっと売り上げの伸びは他の30分よりずっと大きいだろうに、そういうビジネスチャンスを追い求めないところがロシアの好きなところのひとつだ。

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30分待って、入る。

中は、一面に白地に金の縁取りの聖像画が書かれて壮観。
宗教的な所ではあまり写真を撮らないようにしているのだけど(どのみちネットの写真で観たほうがきれいだし)、今見返すと、天井の鳩を真下から見上げた図がなかなかきれいな円なので、載せておこう。

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頭上にある丸いものをまっすぐ見上げて撮るのが好き。シャンデリアとか。

もうひとつ、すばらしかったのが、扉。

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残念ながらピントがあっていない。でもこの、抜け出しそうな立体感は夜中に見たくない。

 

このあと、この日はペテルブルクの大学で働く日本人の先生と、その学生さんたちと一緒にご飯を食べることになっていた。覚えたての日本語で頑張って話してくれる様子は、人の学生であってもかわいいものなんだなあ。

その中の一人が、日本語学習をはじめたきっかけを話してくれた。
話によると、彼のおじいさんは戦争のころ、ヨーロッパを経て日本へ行きついたらしい。そうなったいきさつはよく分からなかったのだけど、とにかく日本に行き、その後そこで暮らし、現地でロシア人女性と再婚した。
彼は、そのおじいさんには会ったことがなく、ただ話に聞いて育ったらしい。日本のアニメが好きなこともあり、日本とまだ見ぬおじいさんには興味を抱いていたそう。

高校生になった彼は、ネットで調査を始めた。
どうやら、似た境遇の在留ロシア人に関する情報を交換する掲示板があるのだと思う。そこで呼びかけ、彼は何と、自分のおじいさんの行方を突き止めたのだ。

ただ、おじいさんは、ほんの1,2年前にもう亡くなっていた。
再婚相手の方はご健在で、その方と連絡を取れた。おじいさんが遺したものがあるとのこと。
こうして彼は、いつか日本に行っておじいさんの形見を受け取るために、今年から大学の言語学科で日本語を専攻しているのだそう。

正直、アニメが好き、で終わると思っていた話の続きにこんな彼の歴史があるとは思っていなかった。18歳の男の子が歴史のかたまりなのだということに感動した。

 

彼らと別れて、日本人だけになって行ったところは、たい焼き屋である。この記事では伝説とまで呼ばれているたい焼きカフェ。

jp.sputniknews.com

のれんのかかる店構えはいい感じ。

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出てきたのは、あんこ入りのちゃんとしたたい焼きでした。こしあんつぶあんも選べた(わたしはこしあん派)。なごむ。

 

そして、このたい焼き屋で合流した初対面の(わたしから見たら)友達の友達の友達が、なんと翌日、郊外の観光地ツァールスコエ・セロ―まで車で乗せていってくれることになった。みんなのコミュ力がすごい。そしてありがたい。

ツァールスコエ・セロ―編へ続く。