とある日本語教師の海外遍歴記

2年ごとくらいにいろんな国で働く生活を志す人の旅行記

タタルスタン・カザン旅行記2019④~全宗教寺院編~

6月23日(日)、この日は「サバントゥイ」というタタールのお祭りだということを、初日のタクシーの運転手さんが教えてくれていた。せっかくの民族の祭りなら市内に残って見ようかな、とも思ったけど、ネットで調べて満足しちゃったのでやっぱり遠出することに。

サバントゥイのことはこちらのページをご覧ください。

tat-inform-aqbars.blogspot.com

サバントゥイに限らず、タタルスタンに特化した数少ない(唯一の?)サイトなので、確かなタタール情報を知りたい方はご参照あれ。

 

さて、この日のメイン目的は、「スヴィヤシスク」というパワースポット的な島(いまは道路でつながっているけど)へ行くことだった。
例の見どころリストにも書いてあるし、いろいろ神頼みな身としてはパワースポットと聞いたら行きたいのである。

しかし問題は、行き方。遠い上に公共交通機関が限られるし、しかもせっかくだから道中に他の見どころにもよっていきたい。。。と考えると、選択肢が限られた。

いちばん簡単なのは、現地ツアーに参加すること。タタルスタンホテルを始め、市内3カ所にある旅のインフォメーションセンターで申し込める。いろいろあるけど、せっかくなら

 1、ライファ男性修道院
 2、全宗教寺院
 3、スヴィヤシスク島

の3カ所を回って8時間昼食付き1500ルーブルというツアーがいいと思う。

 

が、しかし。

5月のサンクトペテルブルクの現地ツアーに苦い思い出のあったわたしは、今回はツアーに加わらず自力で行くことにした。

とすると、公共交通機関を駆使するか、タクシーを1日チャーターすることになる。一人なので、公共交通機関で頑張ってみることにする。

1と2両方行くのは大変そうだったので、迷った末2を選んだ。修道院はいろんな町で見学しているし、ここにしかないものを見ようということで。これ「全宗教寺院」なんてなんだか崇高なもしくはオカルトな響きのする名前だけど、口コミを見てみると寺院でもなんでもなく、宗教をテーマにした建築展示だとのこと。

ここまでは市街からバスで行けるので、朝一バスで行って、そこからスヴィヤシスク島まではタクシーを呼んで、島から市街には船で帰ることにした。

・・・市街からスヴィヤシスクへの直通なら、本数はとても少ないけど船が出ている(川が凍る季節でなければ)。所要時間は通常の便なら2時間くらい、夏の間は特別に高速船が出ていて、これなら30分くらいでつくらしい。が、しかし、この高速船、サイトを見てみると頻繁に「技術的理由で」欠航している。。。そしてこの週末も、案の定…。この船会社、メインのHPは2018年で更新が止まっていて、2019年の運航スケジュールや日々の欠航情報はVK(ロシアのSNS)のページにしか載っていない。もちろんロシア語のみ。調べるのが大変だった。今後自力旅行する方はこちらのVKページhttps://m.vk.com/port_kazanを見てみてください(あくまで2019年現在、だけども)。

 

ただ、結果的に、2時間のんびり船旅はとても心地よくてこれに乗ってよかったと思っている。船好き、川好き。

 

さて、ルートの話はその辺にして、全宗教寺院について。
朝乗ったバスのおばちゃんが親切で、乗った途端「寺いくの?」と聞いてくれ、バス停についたら教えてくれた。そしてバスを降りると、いきなり色的にも形的にも飛び出した建物が群が見える。

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せっかくなので100ルーブル出して中にも入ってみた。

どうやら要するにここは、「お金持ちの建築家兼アーティストが、建物ごとデザインして作り続けている個人的なアトリエ兼作品」らしい。中は、整備されているところもあればまだまだ作りかけの所もあるし、完全作業中のアトリエで入っちゃダメと言われるところもある。なんか、ロシアとかタタルスタンとか抜きにして、アーティストがお金を持つとすごい遊び方をするんだなって感じのところだった。おもしろかった。賛否両論あるのは、納得。

 

こんな、いろいろな宗教をテーマにした装飾や絵があれば、

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アトリエがあったり、

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家の中に木があったり、

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建物はいまも増殖中だったりする。

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突っ込みたかったのは、突如現れたこの張り紙。

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「治療を受けた人のオーラの変化」
「ビフォア →治療→ アフター」
「イルギズ・ハノフが日々受付中」

……なんの治療かもわからないけど、そもそもオーラが見えない我々には効いたかどうかまったくわからないのでは???

そしてひとつ離れのようにあるこの赤い屋根が、最後、帰りの船の上から燃えてるように見えたのでした。

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なかなかカオスでおもしろいところだった。ただ広くないので40分もあれば十分。

この後、タクシーアプリでタクシーを呼ぼうとするも、応じてくれる車両がない…!ウーバーならあったかもしれないけども、ヤンデックスしか入れていなかった。
仕方ないので、一回市街に戻ろうかと思ってバス停に向かったら、運よく1台白タクが止まっていた。聞いたら、スヴィヤシスクまで行ってくれるとのこと。ヤンデックスなら往復分の2000ルーブル払ったけど、遠いし帰りの客が見つかるとの限らない場所だし、妥当でしょう。

乗ったら運転手さんは話し好きの陽気な人で、わたしの片言のロシア語にも付き合っていろいろ話してくれた。東南アジアのトゥクトゥクの運転手もそうだったけど、怖そうに見えても女一人旅に対してたぶん向こうも緊張しているだけだと思う。

こうして無事、スヴィヤシスクへ向けて出発。続きます。