とある日本語教師の海外遍歴記

2年ごとくらいにいろんな国で働く生活を志す人の旅行記

タタルスタン・カザン旅行記2019⑤~スヴィヤシスク島編~

全宗教寺院からタクシーで約1時間、スヴィヤシスク島に着いた。島と言っても、道路が建設されていて車で行ける。島に着いてから来た道を振り返ったら、こんな感じだった。

f:id:eucot:20190705141244j:plain


2017年に世界遺産に登録されて、ロシア人にも人気の観光地らしい。島の入り口にはたくさんの観光バスがとまっていた。この場所についての詳しい情報はこちらなどご覧あれ。

jp.sputniknews.com

 

修道院などは高台にあるので、入り口をくぐって階段を上ることになる。

f:id:eucot:20190705141214j:plain

入り口のゲートはチケットがいるようなので、右隣にあるインフォメーションセンターへ行ったら、無料でQRコードが書かれた紙を一枚もらえた。無料だけど、一回これをもらわないといけないらしい。

階段をのぼったさきは、こんな感じに開けていた。

f:id:eucot:20190705141637j:plain

この左の白い建物が、ウスペンスキー修道院。この島の中の修道院や教会に入るときは、ロシア正教のしきたりにならって、男性も女性も肩や足ひざ上の露出は隠し、男性は帽子をとり、女性は髪を隠してロングスカートをはかなければならない。
そんなものは持っていないという観光客のために、各施設の入り口で、スカーフと巻スカートを貸してくれる。

f:id:eucot:20190705142107j:plain

この写真の手前の2人のように。

借りられるので困らないけど、可能なら服装に留意して行くことをおすすめする。
わたしは、髪を隠すためのストールは持っていったけど、ロングスカートのこと頭になかったので借りた(去年のウクライナもそうだったので、知ってはいたのに残念)。厳密にロングでなくてもひざ下丈のスカートなら許されるようだったので、ジーンズじゃなくてスカートでいけばよかったと後悔。頭のストールは、毎回巻くのも面倒だし日差しが強かったので、帽子がわりにずっと巻いていた。

この修道院の中には大聖堂があって、そこの16世紀のフレスコ画が貴重らしいのだけど、わたしは残念ながら入ることができなかった。
入場制限が、けっこうきびしくされているらしい。こんな張り紙があった。

f:id:eucot:20190705142718j:plain

時間のところだけ訳すと

公開時間:
11:30~12:00(整理券の配布:10:30~11:30)
15:00~15:30(整理券の配布:14:00~15:00)
17:00~17:30(整理券の配布:16:00~17:00)

聖堂のすぐ隣の鐘塔の1階で整理券を配っているようなのだけど、わたしが行った11:30少し前にはもうないと言われてしまった。帰りの船の時間上15:00まで待つとはできなかったので、ここは諦め。

修道院内をぐるっと見て、向かいの馬小屋?へ。馬小屋と言ってもいまはほとんどおみやげの露店スペース。馬もいたけど、暑くて日陰に避難中だった。

その先、島の奥へ向かって少し歩く。ここはのんびり歩くのも気持ちがいい。

f:id:eucot:20190705144513j:plain
f:id:eucot:20190705144436j:plain

この時期、花と緑がたくさん。かわいいところもたくさん。

 

次にあったのは、聖三位一体教会。左の古い木造の教会にも入れた。

f:id:eucot:20190705144604j:plain

スーズダリの木造教会には入れなかったのでうれしかった。中はイコンもあり、きれいで厳粛。

中には壊されてしまった教会跡地も。説明を詳しく読んでいないけど、壊された時期を見ると、ソ連の教会禁止で取り壊されたんだろう。

f:id:eucot:20190705144929j:plain

 

ほかにもいくつか教会があったり、いろいろな博物館があったりする。昔のロシア・タタルスタンを遊べるこんなところも。

f:id:eucot:20190705145053j:plain
f:id:eucot:20190705145106j:plain

衣装を着てみたり、弓矢を体験できたり。子どもは楽しそう。

その先いくつか教会を見ながら進み、島の果てまで来た。こっちのほうは民家も多くて、島の生活っていいなあと思う。

f:id:eucot:20190705145639j:plain

暑いし歩くのに疲れたので、スヴィヤシスク発掘調査に関する展示をしているらしい民俗博物館に入る。ここだけ、他と比べて建物が俄然近代的だなあと思ったら、中も説明パネルや展示テクノロジーがすごく充実していた。

f:id:eucot:20190705145117j:plain

こんなふうに、発掘現場をそっくりそのまま見ることができる。こういう展示初めてだったので、楽しかった。

 

帰りの船が心配だったので、一旦「船の駅」というところへ行ってみる。と、

f:id:eucot:20190705145202j:plain

なんと、営業していなかった。
じゃあどこで船のチケットを買うんだ!?と、博物館の人に聞いたら、この駅の奥、船着き場についている緑の船で買えるとのこと。

f:id:eucot:20190705145223j:plain
f:id:eucot:20190705145250j:plain

行ってみたけど、まだ時間が早くて誰もいなかった。

 

まだ1時間半くらいは時間があったのだけど、足が痛くて(この3000円の靴、相当に吐きつぶしてはいるけど、一日歩き回ったのはそういえば初めてだった)、海をながめて持参したビスケットを食べながらぼーっとすることに決めた。
日陰を求めて船の駅の入り口前で座っていたら、そこの留守番をしているおじさんが中に入れてくれて、お茶までいれてくれた。一人旅はこういうのにあずかりやすい。お茶の水が怪しかったけど、ありがたくいただいた。特に腹痛は起こしていない。しばらくのんびりして、お礼を言ってちょっとチップを残してきた。

船の出発時間30分前から、例の緑のところでのチケット販売と乗船が開始した。せっかく早くからそこにいたんだから、早めにチケットの列に並んでおくべきだった。とういのも乗客が予想以上に多かったうえ、船の上、屋外で風に当たれる席で、かつ日陰の席は数が限られていたから。わたしは、うかうかしていたせいで日向の席になった。でも、室内よりは日向を選ぶ。

いよいよ、出航。

f:id:eucot:20190705145311j:plain
f:id:eucot:20190705145320j:plain

日差しは強いけど、風が気持ちいし、眺めはいいし、スカーフを引き続きかぶってなるべく日陰を作りながら、ずっと川を眺めていた。ヴォルガ川。わたしの行くところ、どこに行ってもヴォルガ川があるなあ。

f:id:eucot:20190705145336j:plain
f:id:eucot:20190705153210j:plain

橋をくぐったり、小さなボートに手を振ったり、

f:id:eucot:20190705145349j:plain
f:id:eucot:20190705145359j:plain

対岸に赤くちらちらしてるのなんだろうと思ったら、朝行った全宗教寺院の赤いタイルが反射しているものだと分かっておもしろくなったり、

f:id:eucot:20190705153853j:plain

カザン市街に近づいてきたら、クレムリンが見えたりした。

f:id:eucot:20190705145411j:plain

間近で見るシュユンビケ塔は高く思わなかったけど、こう見ると目立っている。
このとき、17時ごろ。まだまだ日が高い。考えてみたら夏至だった。

f:id:eucot:20190705145422j:plain

たっぷり2時間船旅を楽しんだら、案の定肩にくっきり日焼けの跡が付いていた。三十路のやることではないと思ったけども、まあ、いい。

 

カザン市街側の船着き場について、旧タタール人街のあたりを歩いてみた。モスクが多い。観光客が少ない分タタール人かなと思う人が多くなる。ちょうど礼拝が終わる時間で、モスクからたくさんの人が出てきた。突然文化の違うところに来た気分になる。

そのあと、地下鉄でクレムリンへ戻り、最後にもう一度夕焼けのクレムリンを見て、この旅は終わり。

f:id:eucot:20190705145432j:plain

念願のカザンを堪能できたいい旅だった。願わくは、タタルスタン出身のかわいい学生たちとまた会えますように。