モスクワ旅行記2019~黒い正方形と宇宙~
2019年4月14日(日)、ニジニ・ノヴゴロドから夜行列車で移動し、一日のびのび単独自由行動。
この日の目当ては、知人にもうプッシュを受けた「宇宙飛行士博物館」と年始の旅行で行きそびれた「新トレチャコフ美術館」、あわよくば「国立東洋美術館」、そして、前日ニジニの学生からおすすめされた「救世主ハリストス大聖堂」でした。
まず、朝一で宇宙飛行士博物館へ。
宇宙って、ぜんぜんわからないけど、ファンタジー&オカルト的な意味で好き。大学生のときに受けた、文系向け宇宙論の授業はものすごくおもしろかった。別の宇宙とか時空のゆがみとか、教科書がまるでファンタジー。
博物館の最寄り駅に着いたときはまだ開館時間前だったので、近くをふらっと歩いていたら広場があった。全ロシア博覧センターというところらしい。いろいろ展示やイベントをやる場所のよう。
ソ連時代には、展示で国力を示す重要な場所だったらしい。
お目当ての宇宙飛行士博物館は…
外観が、まずすごかった。
ぶっとんだ建物。比喩ではない。
ほら、文字通り、ぶっ飛んでいる。
横から見た図はこちら。
前から見た図。
しばらく見ていたらこの距離感がじわじわ最も好きになった。
そんなことをして周辺をうろうろしていたら、いつの間にか開館時間を過ぎていた。
その数分間が、命取りだった。
入り口付近は、キッズの団体と家族連れであふれていた。
開館前から並んでおくべきだったと後悔しつつ、キッズと家族の間にひとり並んでチケットを買う。ちょっと気まずかった。誰かの母親のふりしたかったけどあいにくアジア顔の子がいなかった。
中に入ったら、サイケデリックな部屋が広がっていた。
正面にいるのはガガーリンかな?
キッズ団体は楽しそうだった。
ガイドのおにいさんおねえさんは、おもしろおかしく話してくれてるみたい。こういうの聞いて宇宙科学に目覚める子もいるんだろうなあ。物理学にさっぱり興味を持てなかった自分に聞かせてあげたい。
中には、衛星やロケットや宇宙服なのほか、人間の前に宇宙へ飛んで帰ってきた英雄的犬たちの剥製なんかもある。
人生とんでもないことになってしまった犬たちに敬意を表す。ふつうにかわいい。
宇宙ステーションのロシアの部屋(というのか)のレプリカもあって、中に入れる。
これもキッズの中に混じって並んではいった。意外と狭かった。
一番気分が上がったのは、こちらの宇宙から帰ってきたカプセルの実物。
解説を読んでないので定かではないけど、Время первыхという映画で描かれていた、初めて宇宙遊泳した飛行士が帰還したときのものかなと思った。映画のシーンに似ている。ちなみにその映画の中では、宇宙から地球に帰るより、シベリアの真ん中からモスクワに帰る方が大変そうだった。
その後は、行きたかった新トレチャコフ美術館へ。
現代美術ってわからないけど、数年前に直島に行った辺りからちょっと楽しめるようになってきた、気がしている。
美術館のロシア語での名称に「新」というのが入っていないようで、地図上で探すときも建物見付けたときも迷ったけど、これです。
美術品の写真は撮ってないけど、これは撮っちゃった。
これのiPhoneケースほしかったな…。店員さんに取ってもらう必要があったけど、忙しそうだったので諦めてしまった。ただ、透明のケースと黒ペンがあればフェイクが作れそうな代物ではある。
もうひとつ。
美術館のまわりには公園が広がっていて、天気が良かったらここでの散歩も楽しいと思う。
この日はあいにく寒すぎたので、そそくさと救世主ハリストス大聖堂を目指す。
少し歩いて橋を渡った先にあるようなのずんずん歩いて行くと、
いつの間にか行き過ぎていた。この橋を渡らなければいけない。
正面からみるよりこの橋からの眺めが素敵だったので、トレチャコフから聖堂へ歩くコースは結構おすすめ。
ただこの日は寒かった。4月半ばです。
大聖堂の中は写真撮れないけども、広くてきれいな聖堂だった。でもやっぱり、いまだにペテルブルクの地の上の救世主教会が個人的にベストオブロシアの教会だなあと思い、その良さのポイントの一つは広すぎないことではないかと思い当たった。狭さの効能って大きい。
ちなみに正面からの聖堂はこちら。
結局、眠くて疲れたので東洋美術館には行かずにホステルへ戻った。ごはんを食べたらいつの間にか寝ていた。強行旅行をできるほどもう若くないのだなあと実感。でも趣味全開の一日を過ごせてよかった。
なお、文系人間もファンタジー&オカルト的な意味で宇宙にはまるかもしれない本をご紹介しておきます。田口ランディの小説は他のも好きだけど、マアジナルはめっちゃはまった。